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| 11.5 出資したのに、なぜ株主にならない | |
| 事案の内容 | |
| 上海にいる日本人T氏は、上海における香港系合弁会社、A社の株主になりたく、A社と割当て増資の出資額、出資比率、出資方法、出資期限及び出資者権利などを規定している出資協議書に調印し、公証機関で印鑑の真実性につき公証人の認証も受けた。そして、T氏は規定された期限内に出資し、その後、A社に出資持分の変更手続などの要求をしたが、A社はこれに応せず、出資に関連した手続きも一切しなかった。T氏は数回催促しても結果が出ないため、訴訟を提起した。裁判所は、当該出資協議書が無効であるという判決を下りた。 | |
| 法的な問題点についての検討 | |
| 出資契約が無効である理由は以下のとおりである。 | |
| 出資契約の内容は関係法律と合致しないと思われる。中国[会社法]には、割当て増資の場合、株主総会で「3分の2以上の議決権を有する株主の承認を得なければならない。」という規定がある。それによると、その出資協議書がA社の3分の2以上の議決権を有する株主に承認されていなかったから、T氏とA社との協議書は無効になる。 | |
| また、①A社株主(3分の2議決権を有するもの)の可決は、当該出資協議書の発効条件とするべきである。②次に、買収によってA社の株主になるか、第三者の割り当て増資によってA社の株主になるかを問わず、外資企業の場合、当該協議書は元の審査機構(会社設立の際に、株主、出資額、持分などを審査した政府機関)で許可をして貰う。③これにより、有効となった出資協議書及び政府機関の許可書を持参して、工商管理局に届け出る。T氏の出資手続きは以上の法的な手順の従わないため、無効なのである。 | |
| その他、公証人認証の事項も不充分である。このような協議書は、印鑑のみではなく、内容の合法性にも認証をしたほうがいいと思います。 | |
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