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11.19  執行効力のある公正証書による強制執行
(事案) A公司は、債務者のB公司と商品代金及びその利息の返済についてB公司が債務返済しない場合、法律による強制執行を受け取ることを承諾するという内容のある代金返済協議書を締結し、公証人の認証を受けた。その後、返済の期限を過ぎても、B公司は様々な理由をつけて返済しなかった。そのため、A公司は、公証人役場に執行証書の手続をしてから、裁判所に強制執行を申請した。裁判所が強制執行対象の目的物を差押さえると、B公司は、執行対象金額及び裁判所の執行費用を支払うことになった。
(分析)これは、典型的な執行効力のある公正証書による強制執行の事例である。いま、中国においては、公正証書などを利用して、将来、いざというとき、権利を守るためそれを使うケースはあまり多くない。中国の公証人は、次の条件を揃えた債権書類に強制執行の効力を与える認証を行う。
1. 債権書類には、貨幣、物品、有価証券の給付内容がある。
2. 債権債務の関係は、明白であり、債権者と債務者は、債権書類の給付内容に関して異議はない。
3. 債権書類には、債務者が義務を履行しない、または義務を完全に履行しない場合、債務者は、法律による強制執行を受け取ることを承諾するという内容がある。
また、債権書類は、次のとおりである。
1. 借金契約、借用契約、無担保のリース契約。
2. 物品未納付による債権書類。
3. 各種の借用書、未返済書類。
4. 代金(物品)返済協議書類。
5. 扶養費、養育費、学費、賠償金の給付を内容とする協議書類。
6. 強制執行効力を付与する条件に合致しているその他の債権書類。
一旦、執行効力のある書類が定めた強制執行条件になってから、まず公証人役場に執行証書を申請する。公証人役場は、関係事実を確認した上、執行証書を発行する。当事者は、認証された債権書類と執行証書をもって裁判所に強制執行を申請する。本件のA公司は、手続き上の用件を完備し、法的な手続を踏んで成功した。
(弁護士からの薦め)煩雑な訴訟手続を避けて効率がよく執行効力のある公正証書を利用する人はあまり多くないのが現状である。その原因の一つは、この法律制度をよく知らない方が多いからである。そのためここに事例として紹介した。一部の企業法務担当者から債務管理に頭が痛いと聞かれた。全部ではないが、一部のケースは、執行効力のある公正証書を利用することができると思う。また、これから、具体的な債権書類作成の実務について、セミナーの形でお話しするつもりなので、是非ご参加いただきたい。
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